
入力・操作方法の選択を広げる技術が製品化へ
株式会社ワコム(本社:埼玉県北埼玉郡、代表取締役社長:山田正彦)はこのほど、ノートパソコンなどのモバイル情報機器向けに、当社電子ペンと指の両方でカーソル操作ならびに入力機能を実現する世界初のセンサー・インテグレーション技術「ペナブル・デュアルパッド (Penabled DualPad™)」を開発しました。この技術は、富士通株式会社が本年4月に発売するノートパソコン「FMV-BIBLO NBシリーズ」にペン入力が可能な「フラットポイント・デジタイザ」(*1) として世界で初めて採用されます。
「ペナブル・デュアルパッド」技術は、ノートパソコンのタッチパッドに使用されている静電容量方式(*2)などのセンサーと、当社の電磁誘導方式(EMR®)センサー(*3)ならびにコントローラーを独自の方式でシステム化したものです。これによりユーザーは、同一のタッチパッド上で電子ペンならびに指による入力操作が可能になり、従来の指の操作に加えて、電子ペンによるより直感的な機器操作と精度の高い文字入力を行うことができます。また、コントローラーとドライバーを一体化することで、セットメーカーのシステム構成を容易にします。
「ペナブル・デュアルパッド」技術では、電子ペンのEMRセンサーと指センサーを当社のデバイスドライバーが切替制御します。例えば、通常は静電容量方式のセンサーが機能している状態で、指先でカーソル操作ができます。当社の電子ペンをタッチパッドに近づけるとEMRセンサーがこれを感知し、ドライバーが静電容量センサー機能をEMRセンサー機能に切り替え、ペンによるカーソル操作と入力を可能にします。ペンを遠ざけてEMRセンサーがこれを感知しなくなると、通常の静電容量センサー機能に戻ります。
同技術を用いると、静電容量センサーだけでなく他方式のタッチセンサーと電子ペンを組み合わせることができます。従来のタッチパッドと同じスペースで電子ペンセンサーを実装できるため、筐体や実装周辺部分の設計を変更することなく、ノートパソコンにペン入力機能を追加することができます。ペンではメモ入力や簡単な描画を、そして指では指先の感覚で簡単な操作をするなどのように、両方を使い分けることでアプリケーションの使い勝手を向上させることができます。また、当社の電子ペンは電池・コードが不要であり、軽量・小型化を実現していますので、PCメーカーは電子ペン機能付き製品を容易にラインアップに追加することができます。
本技術によるEMRセンサーと電子ペンは、本年4月より出荷を開始し、最初の1年間で50万本の出荷を見込んでいます。
| 主な仕様 | |
| 筆圧感知 | 256段階 |
| 読取分解能 | 0.0125mm |
| 読取精度 | ±0.5mm |
| 読取速度 | 100ポイント/秒以上 |
| 読取可能な高さ | 3mm |
| 消費電力 | 5V/40mA以下 |
当社は、EMRセンサーと電子ペンの技術を「ワコム・ペナブルテクノロジー」と呼んでいます。今回開発した「ペナブル・デュアルパッド」は、「ワコム・ペナブル・テクノロジー」の応用技術です。当社は、電子の紙とペンを誰もが直感的かつ自然に使えるようにする「ワコム・ペナブルテクノロジー 」に注力しており、この技術を幅広く供給することで、さまざまな情報端末の主要技術供給メーカーとしてグローバルリーダーをめざします。
株式会社ワコムは、1983年に創業し全世界で事業を展開するペンタブレット分野のグローバルリーダーです。独自の電子ペン入力技術であるペナブルテクノロジーによるコードレス&電池レスで筆圧、消しゴム、傾き検出、デバイスIDなど先進的な機能を搭載した入力デバイスを世界に先駆けて製品化してきました。ペンタブレットの国内シェアは96.5%(2005年、BCN調べ)。また、現在、世界で生産されているほとんどのタブレットPCにはワコム製のセンサー&ペンが使われています
(*1) FMVNB75S、FMVNB55Sに搭載
(*2) 指の動きを電気で検知する方式
(*3) センサーと電子ペンとの間で微弱な信号電波のやり取りをして位置情報や操作状態を検知する当社独自の方式